ライティングワークショップセミナー2018

ライティングワークショップセミナー2018


 平成30年10月19日ライティングワークショップセミナーが、16名の参加者を得て行われました。

●日時:平成30年10月19日(金)15:00~16:30
●場所:岡山理科大学岡山キャンパスA1号館4階図書館ラーニングコモンズ
●講師:大阪大学 全学教育推進機構 准教授 掘 一成
●対象:学部生


◆セミナー◆

 最初に、講師である堀先生から、学習効果としては座学より人に教えることの方が、たくさんのことを学び定着率が高いといわれていることと、レポートの書き方も同じで、自分のレポートを直してもらうよりも、他人のレポートを直す方が上達することが説明された。
 とは言え、どのようなポイントをチェックすればよいかわからないと、直しようがないので、今日はまずアカデミックライティングの基本を説明し、それからレポートの相互チェックのワークショップを行う旨が説明された。


 アカデミックライティング(学術的文章)とは、問いと答えがある文章であり、明確な論拠に基づき思考が整理された、わかりやすく学術的ルール(形式・倫理)に従った文章であると説明された。
 また、アカデミックライティングは、長い歴史の中で作り出された内容を正確に伝えることができ、多くの人に受け入れやすい形式であることも言われた。

   アカデミックライティングは、パラグラフ(一つの話題について、一つの考えをいう文のかたまり)で構成され、レゴブロックの様に、パラグラフを組み合わせて、論文が作成される。
 パラグラフには、トピックセンテンス(そのパラグラフで説明したい核心部分、結果、結論など)が必要であり、位置は冒頭部分とすること。


◆ワークショップ◆

 チェックのポイントとしては、
  • トピックセンテンスが簡単にわかるか
  • トピックセンテンスの位置は最初か
  • パラグラフは1つの事だけの説明になっているか
  • 各パラグラフの最初だけ読んで行ってレポートの概要が分かるか(スキミング読み)
  • 定量的表現が基本となっているか
などがある事が説明された後、お互いのレポートを評価しあうワークショップが行われた。


 ワークショップの後、論理的な説明のパターンについて、説明があった。
 どうすれば論理的説明になるかは、妥当な論証のパターンに内容を当てはめることや、説明されてない隠れた前提や未定義の用語がありはしないかなどの確認が必要。
 妥当な論証のパターンは、演繹、帰納、投射、類比などがあるが、よく使われるのは、演繹と帰納。
 最後に、卒論作成に向けての注意点が、以下のように説明された。
  • 不必要な主観的表現は避ける
  • 相関関係と因果関係の違いに注意する
  • 書き直しのポイント
    • トピックセンテンスのチェック(それをつなげただけで言いたいことが伝わるか)
    • 具体例は提供できているか
    • 説明の論理は納得しやすいか
    • 字数・形式指定を満たしているか
 また、今回のレポートの書き方は、コミュニケーションにも活かすことが出来るので、活用してほしいとのことだった。

◆お勧めの本◆

 お薦めの本として、以下の本が紹介された

●2018/10/19現在で所蔵あり
  • 理科系の作文技術 [C2号館文庫407/Ki]
  • 論文の教室(新版) [今治一般816.5/To、経営学科図書室816.5/To]
  • 論理が伝わる世界標準の「書く技術」 [A1号館ブルーバックス336.5/Ku]
  • 理系のための文章術入門 [A1号館一般407/Ni]
  • 理系のためのレポート論文完全ナビ [A1一般407/Mi]
  • レポート・論文をさらによくする書き直しガイド [A1一般816.5/Re]
  • 論理トレーニング [経営学科図書室 116/No]
●2018/10/19現在で所蔵なし
  • これから研究を書くひとのためのガイドブック
  • 科学的思考のレッスン