1. | 開催日時 | :平成20年10月16日(木) 14:00~16:00 |
2. | 場 所 | :赤磐市立中央図書館 |
3. | 参 加 者 | :県内大学11大学16名 |
4. | 司 会 | :藤原 智孝 (岡山大学附属図書館) |
5. | 書 記 | :加藤佳寿美 (倉敷芸術科学大学図書館) :布元めぐみ (ノートルダム清心女子大学附属図書館) |
6. | 内 容 | :新館建設の経緯等、図書館の概要説明および図書館見学 |
(1) 開会 岡山大学藤原氏より開会の挨拶があった。 (2) 図書館の概要説明赤磐市立中央図書館三宅氏より、図書館の概要説明があった。 赤磐市立中央図書館は、平成17年3月に4町の合併により誕生した赤磐市の市民の 生涯学習支援の中核として、やすらぎの場・文化活動や交流の場として、豊かさと 潤いを感じる生活を目指して、平成20年6月に開館した。また、赤磐市立図書館は 4館複合館運営をしており、その中心的役割を担っている。 開館後、多くの市民に利用されているが、旧山陽町地域の図書館という印象が強く、 今後は全域サービスをどのように展開していくかが課題である。 注) 事前質問に対する回答も同時になされた。(資料参照)(3) 図書館見学赤磐市立中央図書館三宅氏、花房氏の案内により、2班に分かれて見学した。 施設は、ユニバーサルデザインを取り入れ、太陽光発電やエコアイスなど環境に も配慮したものであった。 また、「ゆとりと潤いに出会う図書館」のキャッチフレーズのとおり、低書架と 天井高の開放的な室内に、やわらかな自然光が差し込む空間づくりがなされていた。(4) 質疑応答Q. ICタグを導入しているメリットとデメリットは何か? A. メリットは①「自動貸出機を利用することができるので貸出の列ができず、利用 者を待たせることがない」②「自動貸出機を利用できることにより、個人情報保護に つながる」③「蔵書点検が効率的にできる」ことなどである。 デメリットは「金属を通さないため、金箔で装飾された表紙のものは著作権処理を した上でカラーコピーするなどの対応が必要である」ことなどである。 Q. 利用者ニーズのくみとり方は? A. 資料ニーズは、リクエスト制度を設け、購入または相互協力により提供している 。いずれの対応をとるかは、利用度合・今後のニーズ・予算等を考慮し、決定して いる。 Q. 市民の登録率はどのくらいか? A. 12.3%程度であったと思う。開館後96日間(6/6~9/30)での貸出点数が139,852点と 高い利用率の割には、登録率は低い。これは、1世帯で1枚のカードがあれば十分な冊 数(図書・雑誌20冊、視聴覚資料4点)の貸出ができること、さらに4館でカードを統合 したことなどが原因と考えられる。(5) 閉会
資料:赤磐市立中央図書館に事前に提出した質問事項に対する回答Q. 赤磐市立中央図書館のできた経緯 A. 赤磐市の誕生にあわせ、市民の生涯学習支援の中核施設として、また、豊かさと 潤いを感じる生活を目指して作った。 Q. 図書館を作るにあたっての基本的な理念、どういう図書館にするか、という目標等 A.「ゆとりと潤いに出会う図書館」をキャッチフレーズとして、以下のような図書館 作りを目指している。 ・生涯学習支援をする図書館 ・自然と歴史に触れることができる図書館 ・地方分権時代に求められる図書館 ・暮らしと心の豊かさを得ることができる図書館 ・情報の拠点としての図書館 ・図書館ボランティアに活動の場を提供する図書館 Q.「赤磐市の図書館」という立地・地元事情(住民構成や土地柄)を鑑みて、図書館建 設・サービス方針を設定していれば、教えて下さい。選書方針や想定利用者層の認識等 で、何か特に留意して図書館運営をしていれば。 A. サービス目標 ・市の図書館サービスの中枢として ・レファレンスサービスを重視した図書館 ・視聴覚資料の充実とE-bookなどの情報通信技術を活用した図書館 ・住民の求める資料を自由に気軽に貸し出す図書館 ・子どもに好かれる図書館 Q. 図書館の建物・施設・家具等について、特長や留意したこと A. ユニバーサルデザインを取り入れている。また、太陽光発電やエコアイスなど環境に も留意している。 Q. 図書館が完成して、実際に稼働しだした上で、「やはり良かった」、「案外上手くい っていない」等、実際の体験を元にした感想を教えて下さい。 A. <良かった点> ・広くてゆっくりと過ごしてもらえる ・書架にゆとりができ、利用しやすく本にも良い ・新しい利用者を獲得できた ・学習スペースを作ったので閲覧者とのトラブルが少ない ・ICタグの導入により自動貸出が可能となったこととカウンターを増設したことで利用者 を待たせることが少なくなった <上手くいっていない点> ・死角が多い ・広すぎて書架整理が間に合わない ・全域サービスが難しい Q. 事務組織について(職員の採用や構成、勤務シフト等) A. <中央図書館> ・館長(行政職)1、庶務2(1)、奉仕7(7)、常勤臨時1(1)、非常勤臨時5(2) *( )内はうち有資格者 <地区館> ・館長(公民館長と兼務)1、嘱託2(2) 嘱託職員および臨時職員の採用は図書館で実施している。 各館の開館時間に合わせて、時差出勤をしている。 Q. 赤磐市立の他の図書館との連携について A.・毎月連絡会を行っている ・地区館に正規職員がいないため、中央館の奉仕担当者7名のうち3名が地区担当とし て対応している ・毎日、中央館の職員が地区館へ搬送便で回っており、よい相談の機会となっている Q. 県立図書館の協力事業に参加していない大学図書館にも、図書の貸し出しは可能で しょうか。料金は必要分支払います。 A. 要相談。可能な範囲で対応するが、協力事業に参加されることを勧める。 Q. 図書館の今後の目標、展望等。また、今後に向けての改善点等を教えて下さい。悩 み等もあれば。 A. 多くの市民に利用してもらっているが、目標とする市全域サービスは難しい状況に あるほか様々な課題が山積みしている。しかし、市民に愛される図書館を目指してい きたい。