平成13年度岡山県大学図書館協議会研修会報告書

岡山県大学図書館協議会研修委員会
 岡山大学を会場として、標記の研修会が下記のとおり開催されました。今年度は、「閲覧業務について」と 「電子図書館・電子媒体資料について」という2つの大きなテーマで、それぞれ意見交換会を開き、活発に意 見を交わした後、岡山大学附属図書館の見学が行われました。 <平成13年度研修会内容> 開催日時 : 平成13年11月9日(金) 14:00~16:30 場   所: 岡山大学図書館 新館5階 大会議室 出 席 者: 11大学23人 「岡山県大学図書館協議会研修会参加者名簿」参照 内   容: 1.分科会 14:00~15:40    Ⅰ. 閲覧業務について       Ⅱ. 電子図書館・電子媒体資料について        2.岡山大学附属図書館見学 15:55~16:30  分科会に入る前に研修委員会委員長より本日の研修会開催挨拶と欠席校の告知があった。それに続き会場 校を代表して岡山大学図書館、柿本情報サービス課長のご挨拶を以下のとおり賜った。  上記以外に出席館に対して、「岡山県相互協力協定参加図書館利用案内2002度」の作成にあたり、本年度 のものより変更があった場合、岡山理科大学図書館への連絡依頼があった。  その後、それぞれの分科会ごと、部屋に分かれて、意見交換会に入った。 本報告書において、大学名略記は以下のものを用いる。 岡県大…岡山県立大学    岡山大…岡山大学          岡商大…岡山商科大学 岡理大…岡山理科大学 川医大…川崎医科大学        川福大…川崎医療福祉大学 吉国大…吉備国際大 芸科大…倉敷芸術科学大学      山陽大…山陽学園大学 就実大…就実女子大学  ノ清大…ノートルダム清心女子大学
分科会1 「閲覧業務について」    本分科会では、以下の3点について、協議した。 1. 現在ある「岡山県大学図書館協議会相互協力協定」をより円滑に運営するための方法 2. 岡山県大学図書館協議会相互協力協定のPR方法 3. 加盟館を除いた一般開放の問題点  以上のテーマで協議するにあたり、加盟館に対し行ったアンケート調査に基づいて、加盟館の利用案内お よび一般開放について載せた便覧および、岡山県大学図書館協議会相互協力協定のPR方法と一般開放につ いてのアンケート集計結果の2つの資料を作成し、配布した。また、学外者に対する規定の参考資料として、 「岡山大学附属図書館における学外者利用細則」他と「岡山理科大学図書館利用規程」他をあわせて配布し た。  以下、本分科会の模様を報告する。 1. 議長より岡山理科大学図書館が岡山県図書館協会より特別功労者表彰を受けたことを報告 2. 参加者の自己紹介 3. 各館ごとに相互協力協定利用者に対する現在の状況とPR方法、一般開放についての考えを述べた 1. 岡山理科大学から意見のあった、「男子学生がグループで女子大へ行って迷惑をかけるのではない か」という問題について  大いにPRすると確かに、いろんな学生もいるので、上記のような危険性もあるかもしれないが、相互協 力協定は利用者にとって非常に便利な制度なので、新聞やポスターでPRして良いのではないだろうか。 また、学部学生へは、他大学へ行って迷惑をかけないように、しっかり指導すべきではないだろうか。PR のポスターに学術研究を目的としていること、規則を守ることなどを明記してはどうだろうかという意見が 出た。そして、加盟館利用者が違反行為を行ったときには、遠慮せずにお互い連絡を取り合おう、という 意見でまとまった。  なお、ポスターの作成や新聞等のPRについての具体的方法には至らなかった。 2. 一般開放について問題点を中心に意見交換した。 【岡山大】 マナー違反者が増加している。例えば、飲食をする、携帯電話を使う、利用資料は元に戻 さないなどがある。ボランティアを導入して、書架整理も行っているが、追いつかない。なにか良い方法 はないか。 【岡理大】延滞本があっても、「返却した」という認識で、返却されないので、困っている。 【就実大】利用期間を終えた入館カードの回収ができないので、来年度から登録料を頂こうかと考えて いる。 いろいろ問題はあるが、開かれた大学図書館であるためにも、公共図書館とも連携を取るなどして、一 般の方にも、大学図書館にしかできないサービスを受けてほしい、という結論になった。 3. その他、閲覧業務について意見交換したいことがいくつかあったが、時間が足りなかったため、次の 機会に話し合うことになった。
分科会Ⅱ 「電子図書館・電子媒体資料について」  本分科会では、以下の4点について、協議した。 1.オンラインジャーナルについて 2.Web上の有料データベースの導入について 3.CD-ROMの装備や利用などについて 4.今後の電子図書館の運営や電子媒体資料の扱いについて  このテーマについて、研修会に先立って各加盟館より回答のあった「電子図書館・電子媒体資料に関するア ンケート集計結果」を参考資料に進められた。  なお、アンケート資料に訂正があった。訂正個所は以下のとおりである。なお、訂正文を添付しているので、 「電子図書館・電子媒体資料に関するアンケート集計結果」の3枚目の差し替えをお願いします。  1. 問13 オンラインジャーナルについて、(岡理大)の回答:    (誤)…Science Directを導入予定のところがありますがOCLCECOを導入予定…                     ↓    (正)…Science Directを導入予定のところがありますか。OCLCECOを導入予定…  2. 問16 朝日新聞記事データベースの欄で、清心女子大学に○をつける  3. 同   雑誌記事索引 岡山県立大学の○を外して、岡山理科大学に○をつける  4. 問16 その他 岡理大欄 OCLC Fresh Search → OCLC First Search(書記補足)  以下、本分科会の模様を報告する。 1. オンラインジャーナルについて  まず、1.のオンラインジャーナルについて、議長から各館の導入状況の説明要請があった。  詳しくは、アンケート集計結果を参照していただきたい。なお、数字はアンケート回答当時で、増減が激しいた め、参考程度に捉えていただきたい。  次に議長より、岡山大学にオンラインジャーナルの導入状況とともに、オンラインジャーナルのみの購入に関 し、説明の要請があった。 【岡山大】 エルゼビア(Elsevier)、サイエンス・ダイレクト(Science Direct)が、604件です。以前は購入して いないものも見れたのですが、今年度(昨年末くらい)からは「購入しているものしか見せない」という契約に変わ り、その604件の殆どはサイエンス・ダイレクトで図書館で冊子体も購入している分になります。  また、オンラインジャーナルのみのジャーナルの経費は、雑誌代を充てています。 【議長】 オンラインジャーナルの登録手続きは、大手取次を通すものの他、個々の出版社のものがあり煩雑と 思われるが、どのようにすれば簡素化がはかれるか。 (登録マニュアルを作成している館はなし) 【岡山大】 電子ジャーナルに依存する度合いというのは、分野によって違うということです。自然科学系では 度合いが高く、種類も多く、サイエンス・ダイレクトに網羅されているが、高価です。  個々で契約するのは、手間が掛かりすぎ、返って煩雑過ぎると思います。そこで県内、ないし中四国までぐら いでコンソーシアム化する道もあると思います。  少なくとも、県内ぐらいで取りまとめて契約して行けたらと思います。日本全国にまで広げると、纏まりにくくなり 無理だと思います。  現物を持っている資料では、そこへ行かなければ利用できないという不便さが伴いますが、電子媒体ですから、 より多くDBを用意すれば、全国何処からでも繋げる利便性が上がり、利用増大はあり得ると思います。それぞ れの大学で特色を出せば、そういう展開があるのではないかとも考えています。 【議長】  オンラインジャーナルのコンソーシアム構想で考えがあればお願いします。 【岡山大】 特に国立の場合、会計法上の問題があり、それがネックになっています。これがクリアされれば、 国立、私立、公立皆で協力できます。これをクリアしないと世界的にもついて行けない。そういった方向に流れる ことを期待したい、と思っています。 【岡理大】 オンラインジャーナルのコンソーシアムについては、2、3年から5年先をみても実現は難しい。時期 尚早に感じます。まだ「オンラインジャーナルとは何か」というのを捉え切れていない館があるなど、認識や対応 も各館のレベルがまちまちです。このような状況下では、コンソーシアムよりも、先行オンラインジャーナルを導 入している館が、「これから始める」という館に対し協力をして、地域の底辺を底上げしていくことの方が先だと思 います。  コンソーシアム構想は、その次のステップではないかと思います。 【議長】 雑誌毎にオンラインジャーナルの利用方法(インターフェイス)が違うので、利用者が戸惑っていると 聞きます。実際に利用する上での問題点や現状を話し合ってください。 【ノ清大】 いま、主としてオンラインジャーナルを使っているのは教員です。サービスを提供しているのは冊子 体付随のもので、今夏、教員を対象に利用ガイダンスを実施し、基本的な利用手順について説明を行った。利 用については使ってみて慣れてもらうしかなく、そのための「ちらし、マニュアル」を用意しようという感じです。数 で55タイトルくらいなら、利用者数もそう多くなく、まあ作れるか、と思っています。 【岡山大】 エルゼビアのサイエンス・ダイレクトが入ったとき、講習会をやったことがあります。一般的なものと か、インターフェイスが個々に違いますと全部のフォローは不可能で、サイエンス・ダイレクトのように大きなもの については説明会をしました。 慣れた人なら大体感覚的に使ってもらえるという風にみています。 【岡理大】 オンラインジャーナルの利用のためにちらし等を作ったことはありません。サイエンス・ダイレクトを 導入したとき、講習会を1回やりました。図書館報に「インターネットを使ったサービスについて」の特集を組んだ ことはあります。 マニュアルについて、私共では300タイトル前後を抱えており、個々に完成させるのは無理です。 職員でも 全部の使い方が分かっている者はいませんが、オンラインジャーナルを見ていれば、いくつかの利用方法のパ ターンに分かれます。職員も分からないときは、利用者と一緒になって解決していますし、それにより利用者も 職員も双方が慣れていきますので、そういう方法でよいと思います。 【議長】 OPACへの目録登録は、どう考えていますか。 【岡理大】 私共のシステムでは、リコーのLIMEDIOですが、これは岡山大学さんと同じで、標準機能として 書誌の項目にオンラインジャーナルのフィールドがあり、URLを書けるようになっています。これにより、OPAC から検索したとき、雑誌のタイトル、出版社などと共にリンクも表示され、これをクリックすると予め書き込んでおい たURL先へ飛ぶようになっています。 【ノ清大】 現在提供しているオンラインジャーナルは、冊子体付随のサービスなので独立に記述する 必要はないと考えています。私共のシステムは岡山理科大学さんと同じ要領で、書誌の注記フィールド に記述したURLにより、目録からオンラインジャーナルへ飛べるようにしています。 【岡山大】 オンラインジャーナルのみの雑誌についてもOPACには登録せず、HP上のリストに載せている だけです。岡山大学では、HPの方からリストを持っている所に行けるようにしています。この種の問題は、無料 で見れていたものが有料になってURLの削除とか、ライセンスが切れたとき、そのメンテナンスに困る問題があ ります。 【岡理大】 そのとおりです。いま来年度の購読雑誌を決めているのですが、これが確定しますと、冊子体を購 読するとオンラインジャーナルも一緒に見れる雑誌について登録します。購読を中止するものは、来年の3月な り、契約が切れる時点でURLを消して行きます。年に一度の購読見直し時のメンテナンスはしっかりできていま すが、イレギュラーな変更については、連絡や指摘があったら、その都度対応しています。 【川福大】 OPACにオンラインジャーナルを結んだとき、OPACを公開している場合、そのジャーナルはどう なりますか。 【岡理大】 オンラインジャーナルには、学外でも見れるもの、学内でしか見れないもの、学内でも特定の端末 でのみ見れるもの等、契約によって色々あります。いまの質問は、「学内でしか見れないものを学外から見ようと したらどうなるか」というものですね。これは、端末ごとにふっているIPアドレスで理科大の端末でしか見れないよ うに契約しておくと、学外から見ようとするとクリックはできますが、”サーバーに接続できません”等のエラーメッ セージが出て見れません。数は少ないですが、学外から見てもよいオンラインジャーナルについては、もちろん 見ることが可能です。 【議長】 2002年からサイエンス・ダイレクトを導入予定という館がありますか。「導入予定」「導入している」など、 それについて伺いたいので、よろしくお願いします。 (岡山大学が挙手) 【岡理大】 それは、購読誌だけ見れるのでしょうか。 【岡山大】 購読誌だけ見れるものです。これも最低金額が決まっていて、予算計上が追いつかない状態です。 これ以上、サイエンス・ダイレクトに関してサービスが拡張されることは難しいようです。 【岡理大】 サイエンス・ダイレクトは、全タイトルのオンライン版を提供できるのが理想ですが、エルゼビアの雑 誌を何円以上買わないと、という条件がつきますし、理科大ではその条件を満たすことができません。どこか全 タイトル提供していたり、提供の予定があれば話しを伺いたいと思いました。  全タイトルでなく、購読誌だけのオンラインジャーナルの利用であれば、もう少し敷居が低いので、エルゼビア の雑誌を買っていて、まだサイエンス・ダイレクトを導入されていない館は、導入できないか検討してみると良い と思っています。丸善・紀伊国屋さんに問い合わせてみると導入についてアドバイスしていただけるかも知れま せん。 2.Web上の有料データベースの導入について 【議長】 Web上の有料データベースのうち図書館員が主に代行しているものを除いて、学外、学内の教職員、 あるいは図書館でのWeb上のデータベースの開放について伺いたい。  導入館は順次、状況をご説明ください。 【岡山大】 資料に載っているとおりですが、CD-ROM(例えば、朝日新聞記事データベース、雑誌記事索 引)からWeb版に切り換えようという方向で、これまで来ています。 可能なものについては、サーバにのせてLAN経由で提供しています。 【岡県大】 本学では、朝日新聞記事データベースと医学中央雑誌、PsycINFOについて、以前はCD-RO Mを買っていました。これをWebに移行、HPでリンクを張ってそのページを見に行けるよう案内しています。 【岡理大】 朝日新聞記事データベースと雑誌記事索引、MathSciNet、それにOCLC First Searchを導入 しています。インターネット用の端末を2台設置して、Webでの情報検索ができるようにしています。 【岡商大】 アンケートのとおりです。 【ノ清大】 使用しているデータベースは、3点です。昨年までCD-ROMだったのですが、利用者の実態に そぐわず対策を検討中でした。そのうち学内LANも整備され、ネットワーク環境も整い、Web版も安定してきた と聞き、4月から切り換えに踏み切りました。これにより、次のようなメリットが生まれました。  ・館員に管理の手間がかからない。  ・休館のときでも、PCから利用が可能。  ・データベースは、CD-ROMに比較して更新頻度が早い。  実際にはこの1年、CD-ROMもおいていましたが、現実はその利用もなく、来年度はWeb版のみに絞って、 CD-ROMの提供は止める予定です。 【川医大】 アンケートのとおりで、医学中央雑誌のWeb版があるだけです。10、11月頃からWeb版に変更し て、HPからリンクできるようになっています。 【川福大】 川崎医科大学さんと同じで、学内LANを通じて同一のものを使っています。 【議長】 くらしき作陽大学さんは、日外MAGAZINE PLUS をやっておられます。  続いて、Web上の利用案内、利用指導について実状報告をお願いします。 【川福大】 学生が使うので、10月まではCD-ROMで利用指導にあたる講習会を開いていました。Web版 になってからは、やや簡単にはなったのですが、毎週時間を決めて希望者には予約を入れてもらって、図書館 員が指導をするようにしています。 【ノ清大】 Web版は、確かに使いやすくなっています。目的、手順、ルールを押さえるため、授業の中で時間 をとってもらい、前もって図書館で指導をしています。授業外でも、なるべくグループ対応のガイダンスを実施し て、利用の仕方を学んでもらうようにしている。 【岡山大】 アナウンスをはじめ館報や図書館ニュースなどに個々の導入時に随時載せたり、知らせたりしてい ると思います。  利用指導に関しては、電子情報係、参考調査係が開いているガイダンスがあり、データベースごとか、分野別 (人文系、理学系)かは定かでないが、データベースの使い方の話をしています。なお、本学では図書館が協 力する形で授業をやっていますが、その中の一部に雑誌記事索引、朝日新聞記事データベースに関して教え る部分があり少人数でやっています。ガイダンスについては、教官から相談があれば、随時行うようにしていま す。  【岡県大】 医学中央雑誌のWeb版とMEDLINEのCD-ROMの使い方をセットにして、春頃から希望者の みガイダンスをやっています。 【岡理大】 毎週、火・木曜日に1時間程度、説明会をしています。予約制で希望者は少ないのですが、年間 を通し時間帯を設けて対応するようにはしています。 【議長】 (アンケート問19に関して)データベースの予算の選定方法はどうしていますか。 【岡山大】 平成11年にたてた資料整備1次5カ年計画のなかで選定、公に決まったもので、図書館はそれに 沿って運営しています。 【岡県大】 予算が限られており、たくさんは買えないのですが、教員からの要望に従っていると思います。 【岡理大】 オンラインデータベースの場合、業者が持参するパンフレット等を参考にします。もしトライアルの 期間があれば、学内の教職員にそれを周知し、後でアンケートをとり希望者の多いもの、予算の高くないものな どを総合的に判断し、図書館で決めています。 【岡商大】 図書館員が決めている、と思います。 【ノ清大】 学科構成や教員からの相談に応じ、媒体はCD-ROMかWeb版か等を判断し、今年度一点決定 したものもありました。そのような感じで行っています。 【川福大】 医学中央雑誌のWeb版と雑誌記事索引のCD-ROMしかないが、希望の出たものについて、図 書館運営委員会にかけて各学科の先生が検討し、決まったものを購入しています。 【議長】 CD-ROMで買っていたものをWeb版に変更して、問題点とか、逆にそのメリットとか、何かあります か。 【岡理大】 何人もの人が同時に利用でき、保存は少ない場所で済み、劣化もなく利点が多いのがメリットです が、利用者にとっては敷居が高くなりますので、利用について、館員の対応能力が重要になります。 【議長】 データの保存という問題もありますが、日本書籍総目録(Books.or.jp)は無料でインターネット公開さ れています。予算減やスペースの問題で冊子体、あるいはCD-ROM版からインターネットの情報源や有料デ ータベースへの乗り換えについては、どのようにお考えでしょうか。 【岡山大】 データベースの利用はいいが、契約が切れた後の問題が怖い。冊子体なら現物があるので安心 です。データベースのバックアップは許可が降りず、それならば全部を印刷するという訳にも行きません。そのよ うなとき、業者にいきなり価格を上げられますと、対応ができるかどうかという問題があります。サーバーに取り込 むにしても画像データなど時間的、容量上、いろいろ問題があり、どうなるのであろうかと疑問です。 【岡山大】 雑誌については、遡れることが必要です。どこまでリンクが張られているかいろいろありますが、あ る時点からのものがポカっと抜けてしまっていると、冊子体はもう残っていない、ということになるとこれは問題で す。  いま世界の流れは、オンラインジャーナルに向かって行っているが、どうするのでしょうね。 【議長】 オンラインジャーナルのみの購入に踏み切れない。契約が高くなったとき、「冊子体にもう一度戻るが、 この期間は無いよ」では、この点が大変なネックとなります。 【岡山大】 目録に限らず冊子体・ジャーナルについても同じです。 3.CD-ROMの装備や利用などについて 【議長】 就実女子大学さん、BDS用ラベルの説明をして下さい。 【就実大】 円盤の表面にタトルより少し短い専用シールがあり、これを貼ります。図書登録する付属品には、 全て貼るようにしています。表面からは、貼ってあるのがハッキリ見えます。貼る際に特定の箇所という取り決め はなく、印刷文字が消えないようその隙間に貼るようにしています。 【議長】 図書の付録の保管場所としては、バックカウンターにおいている館はどれくらいありますか。 (挙手は8館。バックカウンターに置いていない川崎医科大学に説明の要請があった。) 【川医大】 雑誌がメインなので図書自体が少なく、特に付録の管理はしていません。本についたままにしてい ます。CD-ROMだけ購入している分は、番号をつけてカウンターの中においています。数は少ないです。 【議長】 プラスチックのケースに入れて置いていないところは、CD-ROMの保管方法について説明して下さ い。 【岡県大】 ビニール制の袋に入れ保管はケースに入れています。貸すときもビニールのままの状態です。  傷がつかないかと言われれば不安はありますが、利用者からの苦情は受けたことはなく、問題はないと考えて います。ただ、傷がついているか否かは、目で見て分かりませんので、何とも言えません。  整理は図書の資料IDと請求記号を付けています。保管も請求記号順に置いて分かるようにしています。貸出 時は、CD-ROMの要請があれば、それ用の台帳ノートに書くようにしています。 【岡商大】 CD-ROMはファイルに入れてあり、バーコードはファイルのビニール部分に貼っています。貸出 時は、バーコードを読ませて、CD-ROMはケースに入れ学生に貸します。 【議長】 次に付録のCD-ROMの貸出の話しに移ります。コンピュータを使っての貸出をしているところは、 現状報告をしてください。 【岡理大】 バーコードをLIMEDIO以外のシステムに読ませて貸出しています。 【川福大】 機械化前は、貸出カードがありました。機械化後の今は、プラスチックのケースに入れています。 バーコードは、そのケース上に貼るようにしています。 私共では、川崎医科大学、医療福祉、短大とあり3館共に同一シテスムですが、所蔵図書の所属は分館番 号で分かるようにしています。所蔵数は未だ少なく万の単位で足りますから、図書IDは5桁ですが、付録につい ては使われない番号で区別できるよう、これと区別して10桁の特別番号にしています。 この方法により、貸出冊数が本体と、付録と交じらないように、付録分については付録貸出の形をとるというこ とで、冊数には入らないようにしています。 【ノ清大】 図書館備付の端末にCD-ROMなどの持ち込み利用をさせていますか。 【岡山大】 大学の提供設備では、CD-ROM、FDは差込口を塞いで使えないようにしています。 (その他の殆どの大学でも持ち込み利用を認めていないとの回答でした。) 【ノ清大】 最後に質問です。岡山大学さんはCD-ROMやFDは使用できないとお聞きしましたが、プロテク トをかけていますか。 【岡山大】 図書館側としては、一切、使わせないという方針です。医学部も津島キャンパスも端末によっては、 塞いでしまっています。ただ、全部そうだというのではなく、挿入を許さないと見えないというものについては、別 に設置してあります。図書館にCD-ROMだけあって、それは見せないというものではありません。  【岡理大(議長)】 パソコンによっては、ドライブ部分に鍵をかけられるものがあります。 【議長】 以上で今回の研修会討議は終わりにします。  なお、4.今後の電子図書館の運営や電子媒体資料の扱いについては、時間が足りなかったため、以上の 経緯に沿った上で、議長からの補足にとどまった。
岡山大学附属図書館見学(15:55~16:40)  岡山大学附属図書館の木村専門員の案内により、池田家文庫展示室をはじめ館内の見学を行いました。普 段は、見られない池田家文書の展示を見れたり、入れないような薫蒸室や、古地図を見るための和室、貴重書 庫などの見学をさせていただきました。  その後、簡単な質疑・応答がありました。 Q「個別閲覧室は戸がついてますが、問題はないのでしょうか」 A「ガラス張りになっており、問題はないと思っています。」 Q「LIMEDIOをお使いですが、Windows版を導入ですか」 A「これから、ちょうどWindows版へ入れ替えようとしているところです」 以上をもって、丁度予定時刻になり、皆さんそれぞれに成果を上げ研修会を終了しました。 最後に研修会へ参加された方から寄せられた感想を掲載させていただき、この報告のまとめとします。 アンケートより 全体として ・ 分科会の時間が短かったように思います。 ・ 各館の実状を聞き、参考にできる内容も多くあり、有意義であった。 ・ 日頃の業務でやっていたことを、他校と比較し考えられる機会ができました ・ 来年度は、また異なるテーマでの分科会が開かれることを楽しみにしています。 ・ 研修会の内容を事前に、もう少し詳しくおしえておいてもらえば、資料を持ってくることができたと思う。 ・ 講演もあった方が良いのではないか。 ・ 各図書館員のメールアドレス一覧を作り、配布してはどうか。問い合わせなどがやりやすくなると思う。 分科会Ⅰ「閲覧業務について」 ・ 閲覧業務は、具体性が多いので各館の事情の交換がしやすい場であったので、時間不足は少し残念であ った。 ・ 活発なご意見が出ており、また、とおり一遍に賛成するのではなく、慎重に考えた意見もあり良かった。 ・ 各館それぞれ事情が違うように、多様なサービスの在り方を聞くことができました。 ・ 特に、これから図書館を背負って活動される方々には有意義のことだったと思います。 ・ PRの件ですが、無条件に賛成だと思っていましたが、相手館への負担を考えると、まだ検討が必要と思い ました。 ・ ビデオの館外貸出の状況、放送大学の受信状況、授業と図書館の連携状況などについて、各館の実状を 山陽学園大学 渡辺まで教えて欲しい。 分科会Ⅱ「電子図書館・電子媒体について」 ・ オンラインジャーナルについては、まだほとんど導入していないのですが、各館多数誌入っている状況を見 て、これからもっと考えていかなければいけないなと感じました。 ・ 予算的な問題が大きいので、岡山大学の方が言われていたような県内のコンソーシアムが早く実現すると いいですね。 ・ 電子Journal等に関しては、やはり窓口1本になるコンソーシアムの方向に向かうと思われるが、今少し、時 間が必要のようである。 ・ 利用者の指導も使い方から、より的確な情報の入手・検索方法等へ移行するのも時間の問題である。 ・ オンラインジャーナルについてのみ、もっと深く議論したかったです。 ・ データの保存、価格の問題など、移行に際して思っていた以上に、様々な障壁があるようでした。 ・ 身近な県内の現状が理解できてよかった。