岡山県大学図書館協議会平成20年度第一回研修会報告書


1. 開催日時:平成20年8月20日(水)13:00~17:00
2. 場  所:岡山大学附属図書館新館5階大会議室
3. 参 加 者:県内大学12大学19名,県内高校13校13名
4. 司  会:藤原 智孝(岡山大学附属図書館)
5. 書  記:山下 都(川崎医療短期大学附属図書館)
:原 浩子(倉敷市立短期大学付属図書館)
6. 内  容:高校図書室の情報を事例発表等を通じて収集し、意見交換等でより理解を深めようとしたもの。

(1)開会
(2)講演
(3)質疑応答
(3)意見交換
(4)閉会

(1) 開会
 岡山大学小花学術情報部長より開会の挨拶があった。

(2) 講演
 「高校図書室の一般の概要」板野暁子氏(岡山一宮高校・図書館司書)                    添付ファイル:岡山の高校 参照  「事例報告1」小橋康智氏(玉野高校・図書館司書)                    添付ファイル:玉野高校 参照  「事例報告2」東根さやか氏(水島工業高校・図書館司書)                    添付ファイル:水島工業高校 参照
(3) 質疑応答  大学側からの質問があり、以下のような回答があった。
・高校の図書館司書は、12学級以上の学校に発令ざれ勤務している。岡山  県の場合、図書館司書は行政職で岡山県立図書館か県立高校に勤務する。兵  庫・北海道・和歌山のぱあいは実習補助と同じ条件での兼務である。 ・高校図書館では資料費が少ない、図書室が狭い、図書館司書の全校配置が  なされていない事に不満がある。 ・漫画の購入は、一宮では新規は古本市での収入で購入するが継続のものにつ  いては図書費、玉野は図書費、水工はPTA費で購入。回答のあった学校は  学生のリクエストにすべて応じるのでなく、教師とも相談し、選書したもの  を購入。 ・図書館には県から5年間のリースでパソコンが入っているが今後の予定は、  たっていない。学校間の情報格差のないような装備を県へ働きかける必要が  ある。 +県立図書館の搬送資料が今年度より県立・岡山市立・私立の全校に配達され  ることになり、週一回搬送便が届き30日間借りることが可能。予約はイン  ターネットより。 ・事務職と兼務で-年間のみの採用などで充分な図書館活動ができない朝・  昼休み・放課後のみ開館がせいいっぱいの活動。 ・利用する生徒はライトノベルズ専門で、後は部活中心と二極化している。  科・コースが多いので、学年、科、コースを超えての交流の場として図書  館をつくっていこうとしている。教科支援のため教員からの要求をさぐる  努力や他校の図書委員との交流も行う。 ・男子生徒が9割だが、内装・選書方針の変更で変化あり、生徒が製作した  椅子で安らぎの空間をつくり場所利用としての図書館も好評。 ・午後からの開館しか可能でないが事務仕事が多忙な際は無理な時もある。  -年間で交代になるが、どの司書の方も熱心に活動してくれる。図書館分  掌の教員が図書館に協力しがたく、継続的な活動が無理。芸術鑑賞会も図  書委員の活動内である。 ・図書館の座席が30席しかなく、別棟にあるため昼・放課後くらいしか利  用されず、男子ばかり入っていると女子が入ってこない。放課後は学習の  ため進学組が来館。今年度から県の搬送便や市立図書館との提携でも本を  借りている。 ・スポーツが盛んな学校。図書館が4階にあり平均の半分しかない狭い図書館。  教師の協力は得られないが図書委員を活用し、新刊はすばやく受け入れ古い  本は廃棄、生徒のリクエストは100%購入無理なら他から借りる。出版  社にメールで許可をとり表紙の画像を取り込み新着案内を作っている。県  からの搬送便で借りた本を展示し、貸出を促す努力をしている。 ・2年前教員で図書館の活性化を図りバーコード化実現。入口を入りやすい  雰囲気にし、開館時間も8時から18時とし、時差出勤で対応。活動方針を  出し合い、ホームページの立ち上げ、読書会や講演会も開催。教科との結び  つきを考え、授業で使う本を入口前に並べ教師・生徒の利用の場を提供。貸  出冊数も6冊に増やした。情報センターの役割ももたせるためNGOのニュ  ースレターも図書館に展示。 ・どの教室からもみえる場所に図書館があり司書が来るとすぐに生徒が来る。  多い時100人以上利用。NIEで新聞の利用が活発。図書委員会が文化祭、  公開講座で講師を呼び運営するなど活発な活動をしている。PTAと生徒の  図書委員が協力するので1万冊の貸出がある。 ・4万冊の蔵書で書庫があり広々とした図書館。設備も万全でホームページ  からも本の検索が可能。メールによる予約受付もできる。3・4・7類の利用  が多く授業での利用も活発。DVD・マンガは授業に関するものを先生と検  討し購入。
(3) 意見交換
・大学生への利用者教育を考えていく上で高校側に希望することして、図書館  は公共の場なので盗難もある事、ソファーで寝ない.飲食禁止などの公共マ  ナーを守る事をあげられたが、高校で守られていても大学生になるとできな  いようだ。 ・「普通の本はありませんか」と学生に質問されるが、大学図書館は自主学習  を求め、学術書を主に収集し、自主学習サポートすることが目的なので、公  共図書館との使い分けを高校生に教えてほしい。 ・自分が利用した大学図書館と高校図書館の違いではあるが、大学の司書には  話しかけにくかったが、高校図書館は公共図書館と似通っているようだ。 ・生徒からの問題提起があると高校では、私たちと一緒にやりましょうという  ところから資料探しが始まるが、大学では、こうやって解決しましょうと  教えて終わり。高校では「いい本ない?」との問いには「これですよ」と答  え図書館の魅力を伝え、質問者の要求を発掘していく機会としている. ・附属高校からの大学図書館利用では、高校の図書館が狭いので自習室がほし  い生徒が利用している場合もある、使用するソフトが同じなら良いのかも。  また、高大連携をしている大学では関係校への本の貸出をすることもある。  しかし、地域開放しても一般利用者は来るが高校生は来館しない大学もある。 ・高校側としては、県立図書館に無い高価な専門書を大学から借りたいが、  送料等を大学では実費負担なので、高校教員はそれでも利用するが、高校生  は利用しない。 ・大学図書館での利用者への声かけについては笑顔でと努力されてきている所  もある。高校生の年代では声のかけすぎは敬遠されることもあり、どれだけ  親しく近づきやすい雰囲気をだすかが課題であるとのことである。 ・高校図書館に来館する生徒には、他人との関わりあいが苦手で図書館を避難  所として利用する子も多いので、大学進学後はクラスでの活動もなくなる生  活となり心配、図書館が心のよりどころとなるよう受け入れて欲しい、本を  探すのも苦手なら、その状況を伝えることも苦手な生徒が増えてきている。
(4) 閉会


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